
派手な観光地ではないけれど、
一度は実際に見てみたい日本のスポットをご紹介します。
一生心に残る旅をしましょう。
今回ご紹介するのは、
鶴仙渓(石川県加賀市・山中温泉)です。
鶴仙渓(かくせんけい)は、
石川県加賀市の山中温泉街に沿って流れる
大聖寺川の中流にある渓谷です。

「こおろぎ橋」から「あやとり橋」を経て「黒谷橋」に至るまでの、
約1.3kmの区間にわたる渓谷を指します。
砂岩の浸食によって数多くの奇岩が見られる景勝地で、
南北に長い山中温泉街の東側を並行し、
温泉客の散策地としても人気が高いです。

渓谷沿いに敷かれた散策用の歩道は「鶴仙渓遊歩道」として
山中温泉のもうひとつの観光名所となっています。
おもしろい形の岩や小さな滝、
季節ごとに表情を変えるあざやかな自然を満喫できます。
奇岩としては烏帽子岩、蛙岩、弁慶岩などがあります。

鶴仙渓は、3つの個性的な橋が有名で、
橋めぐりも楽しく、特に紅葉の時期の眺めは格別です。

◆こおろぎ橋

鶴仙渓の一番上流に架かる総ヒノキ造りの全長21mの橋で、
その情緒ある風情と四季ごとに表情を変える美しい風景が人気です。
山中温泉を代表する観光スポットで、
鶴仙渓、または山中温泉のシンボルとなっています。
◆あやとり橋

こおろぎ橋より800m下流、鶴仙渓遊歩道の中間に位置する
徒歩専用の橋です。
竜がうねりを見せるようなS字型のユ ニークな形状や
鮮やかなワインレッド一色の塗装など、
強烈なインパクトを与えるデザインが特徴の橋です。
華道草月流の三代目家元、勅使河原宏氏が
「鶴仙渓を活ける」をテーマにデザインしたものです。
山中温泉の新しい観光名所「鶴仙渓川床」へのアクセスに便利です。
◆黒谷橋

あやとり橋から更に500m下流に架かる橋で、
1935年(昭和10年)8月竣工の全長36mのコンクリートアーチ橋です。
白を基調とし、大正ロマンを思わせるようなレトロ調の意匠が特徴で、
欄干と親柱は御影石を使用、床板は小石を洗い出ししているなど、
工夫が凝らされています。
古くは山中温泉を訪れた奥の細道の松尾芭蕉も渡った橋です。
石造りのアーチ橋は風情ある趣き、また周りの自然美には
芭蕉もたいそう気に入ったそうです。
◆鶴仙渓遊歩道

北陸の温泉地の中で、
山中温泉が人気温泉地だと評価される最大の理由がこれ、
と言っても過言ではなく、多くの観光客や宿泊客が
鶴仙渓の渓流を間近に楽しめる非日常感を与えてくれる
「自然の中のお散歩道」を求めて山中温泉を訪れています。
◆鶴仙渓川床

あやとり橋の近くの不動滝前に、
鶴仙渓遊歩道沿いに川床がお目見えしました。
目の前に広がるのは、渓谷の深い緑、野鳥のさえずり、
そしてBGMは川のせせらぎ、心と体を癒してくれる休憩所です。
2009年には、4月~10月までの期間中に
19,750人もの観光客が利用した話題の観光名所です。
山中温泉出身の料理の鉄人・道場六三郎氏考案による和のスイーツ
「川床ロール」や「冷製抹茶しるこ」が召し上がれます。
営業時間は、4月~10月までの9:30~16:00で、
料金は、「川床和スイーツセット」が、
席料(加賀棒茶付き)+選べる道場六三郎スイーツ
(川床ロール・冷製抹茶しるこ)で500円です。
席のみの利用の場合は、加賀棒茶が付いて200円になります。
(山中温泉旅館組合加盟旅館宿泊者は100円引きになります)
開湯1300年の歴史を誇る山中温泉は、
渓流沿いの自然散策、松尾芭蕉も認めた泉質、
雰囲気のある温泉街などが魅力です。
雑誌などの温泉・観光地ランキングで常に上位の
北陸を代表する温泉観光地です。

★車がなくても大丈夫。
山中温泉の観光に便利なガイド付き温泉街周遊バス
「お散歩号」があります。

温泉街を1周18ヶ所のバス停があり、
山中温泉観光のほとんどを網羅しています。
一周約40分、1日10周走っていて、
チケットは2日間乗り降りし放題です。
バス内では、地元ガイドが山中温泉のガイドや観光案内をしてくれ、
手軽に山中温泉の観光を楽しめます。
料金は、大人500円、小学生250円、小学生未満は無料です。
★近くの観光スポット
◆ゆげ街道

山中温泉のメインストリートで、
観光ショッピングや食べ歩きが楽しめる
温泉情緒あふれる雰囲気の街道です。
山中漆器・九谷焼・地酒など、山中温泉の名産をはじめとした
お土産屋さんと、ひとくちコロッケやソフトクリームなどの
食べ歩きができるお店があります。
いしかわ景観大賞や都市景観大賞などを受賞し、
多くの観光客の他に全国の商店街や行政からの視察客も多く訪れています。
◆山中座

山中温泉の元湯(共同浴場)の隣に併設された、
「山中節と温泉の館」で、豪華な蒔絵の格天井やロビーに
山中漆器の粋を配した優雅な建物です。
芸妓さんによる日本三大民謡の山中節と踊りの
定期公演(土日祝日)が観賞できます。
広場には足湯があり、散策の拠点としての観光案内も行っています。
◆芭蕉堂

松尾芭蕉を慕う全国の俳人たちによって黒谷橋のすぐ近くに建てられた、
芭蕉を祀る御堂で質素な造りが特徴です。
◆無限庵

武家邸宅書院の伝統を継承する書院造として貴重な遺構で、
九谷焼や尾形光琳の作品などの古美術品を展示しています。
開館時間は、8時30分~18時(入館は17時まで)で、
年末年始は休館になります。
◆芭蕉の館

明治中期の宿屋古建築が特徴で、お茶を飲みながら美しい庭園が楽しめます。
営業時間は午前9時~午後5時まで(入館は午後4時30分まで)で、
定休日は祝日を除く毎週水曜日です。
◆医王寺

山中温泉の温泉守護寺で薬師如来を奉っています。
「奥の細道」で知られる松尾芭蕉と縁の深いお寺で、
国指定重要文化財の芭蕉の忘れ杖などを所蔵しています。
◆栢野の大杉

菅原神社の境内にそびえる樹齢約2300年の神木で、
高さは 52m、幹の周囲は22mもあり国の天然記念物です。
◆ろくろの里

山中温泉の新しい観光スポットで、
どこか懐かしい雰囲気の漂う田舎エリアです。
山中漆器の木地挽きや絵付け体験、手打ちソバ体験、九谷焼絵付け体験、
山中漆器工房めぐりなど、様々な体験スポットがあります。
◆ホームページ
http://tabimati.net/midokoro/detail_kanko.php?p=3974

★交通アクセス
所在地: 〒922-0127 石川県加賀市山中温泉下谷町
JR加賀温泉駅より加賀温泉バス(温泉山中線・栢野行)で約30分、
山中温泉バスターミナル下車徒歩約1分。
北陸自動車道加賀ICから車で約12㎞・約20分。
北陸自動車道 片山津ICから約15㎞・約25分
こおろぎ橋駐車広場・乗用車22台。
あやとりはし駐車場・乗用車12台

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